何紹基の若書きの筆致を見られる貴重な一冊
何紹基(1799〜1873)は湖南道州の人。字は子貞、東洲・
叟とも号しました。道光一六年(1836)の進士で編修に官し、諸官を歴任して四川学政に至りました。顔真卿を法とした後、金石碑板をよく学びそれを自らの書に活かし、顔法ならではの力強さと雅味溢れた「金石の気」を併せ持った独特の書風を築き、五書体いずれもよくしました。
本書は、若書きの畫記(行書)と
州東西水門記(楷書)を収録したものです。何紹基が独自のスタイルを確立するまでの筆致を垣間みることのできる、たいへん貴重な一冊です。